寺澤裕久 ソロ:2005.6 Hirohisa Terasawa

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深い悲しみは、けっして感情をたれ流しはしない。
鋭い感性と高い精神性に濾過された悲しみは、清々しい感慨のみを残して、流れ、消える。
その粛然とした音の佇まいは、マウロ・パガーニの"Europa Minor"に通じているように思われる。

私は、SCOPEのファンではない(勿論、嫌いであるはずはない)し、寺澤の音楽を昔から聴いてきて「理解」しているわけでもなく、SCOPEの2枚のアルバムと2002年の神戸チキン・ジョージでのライブ=“プログレ・フェニックス”で知っているだけだ。が、その時のインプロで彼が発した音に、私は未体験の衝撃を受け、戦慄を覚えた。
「天から音が降りてくる」という瞬間を目撃し、寺澤の音世界と「理会」した。

今回ここで紹介させてもらえることになった小品群は、そのいずれもが、天から降りてきた音だ。
寺澤は、これらを一晩で書いた。優れた作品は、一瞬にして完成する

追記
この小品群に続けて、Jaque Brelの"Quand On'a Que L'Amour"を聴くと、涙腺が暴発します。

(武内 正樹)


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