No.16

☆ライブでウーロン茶☆

いつも曲名が分からないので及び腰でしたが、ライブの感想も書いてみることにしました。
あっさり書く能力がないので、コテコテした形容が並ぶのをお許しください。文中プレイヤーの敬称は略させて頂きます。

ケイ赤城トリオ+峰厚介

-2004年9月10日新宿pit innにて

ケイ赤城(p)
杉本智和(b)
本田珠也(ds)
峰厚介(ts)
(飛び入りゲスト 丹羽剛(ss))

(聴いてからひと月以上経ってしまいましたが、鮮烈に記憶に残るライブなので、遅ればせながらライブレポートを書くことにしました)

ケイ赤城トリオはCDで聴いて以来、一度はライブに行きたいと思っていたが、今年も関西3主要都市に来なかった。あれこれ考えた末に、東京まで行くことにした。
ツアーのほぼ最終日、チケットを取ってくれた友人に連れられ、新宿へ。何もかも初めてだ。この店に来るのも初めて。ケイ赤城情報に詳しい<横田マスター>とお会いするのも初めてだった。
(マスターさんにはいつも新鮮なジャズの情報を頂いていますが、この日のライブも曲名・感想など詳細にレポートされています。URLは最後にあります)
ライブが始まるとすぐ、ここへ来た自分の選択が正しかったことを実感する。まずは、新CDでも1曲目の、'Dolphin Dance'だ。最初からパワー全開かと驚く。ウォーミングアップはとっくに終わっている。ツアーの中で、着実に積み上げたものが、ごく自然に流れ出したと感じる。トリオの一人一人が、互いの動きを熟知するような一体感。自ずと全身が反応するようだ。

こう言ってしまえば、そういう熱い演奏をするのがジャズライブだろうと反論されるかもしれない。しかし、「全身全霊」などという嘘っぽい言葉が、このトリオを目の前にすれば、それが現実になりうると納得する。別に神がかり的と思わないけれど、「迫力のある演奏」などという平坦な言葉では、あの実像には迫れない。確かに、あの場でしか現出できない世界と出会えたと思う。相手の音の隙間を読み、奏でられる正確なレスポンス。クライマックスが、これでもかとばかりに続く。

CDで聴いた世界からは見事に変化していたが、次第に馴染んだメロディーに出会うことになった。ケイ赤城の激しい動きは、予想以上だった。ベースとドラムの杉本智和・本田珠也については、既に知っている通りだったが、2人の音はますます研ぎ澄まされていたと思う。そして、この3人に峰厚介のサックスが加わる。大物登場でさらに客席のまなざしが熱くなった。
そして4曲目、個人的に好きな曲である'Litha'に峰厚介が加わると聞いて、思わず声を漏らしてしまった。一瞬頭を過ぎったのはスタン・ゲッツとチック・コリアの演奏だったが、耳にしたものは、当然ながら全く予想外の展開。完全に演奏に没入するうちに前半が終わった。さらに、ライブは後半へと続くのだけれど、極めて印象的な構成の'Ad Lib On Nippon'について、また、導入部分にケイ赤城の「声」を取り入れたアレンジについて、ドラムとベースについて語る前に、すでに延々と書いてしまった。どれをとってもコンパクトに説明する自信がないので、割愛することにする。

飛び入り参加の丹羽剛のソプラノサックスも堂々たるもので、できればもっと聴きたかったと思う。何しろ密度が濃いライブだった。綿密に意図されたものと、その反動のような音の洪水。ケイ赤城の、的確さと速さの同時進行には、ついていくのがやっとだった。CDにサインをもらったら、なぜか私の名前が少し間違っていて、面白い東京ライブ土産になった。これを見るたびに、休憩時間の穏やかなケイ赤城の表情を思い出しそうだ。

(2004年10月 岡崎凛)

ライブの全体像については、横田マスターさんのライブレポートをご覧ください。
<http://www.pat.hi-ho.ne.jp/t-yoko/index.html>

yamagenさんの運営する、ケイ赤城オフィシャルサイトはこちら。
<http://www.aomori-net.ne.jp/%7Eyamagen/kei/top.htm>

文中に出てきた曲が入った最新CDです:
Kei Akagi Trio :
MODERN IVORY
“Playing The Legends of Piano”

Kei Akagi(p),
Tomokazu Sugimoto(b),
Tamaya Honda(ds)

2004.06.30 on sale
VAGV-1002 (SACD/CD ハイブリッド仕様)

Modern Ivory

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